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フィフィ            1976年Egypt生まれ            趣味:占い、執筆            特技:アフレコ、ナレーション            所属事務所:プラチカ


by fifi2121

今だからこそ見て欲しい一本☆

『リチャード・ニクソン暗殺を企てた男(04)』
主演:ショーンペン、ナオミワッツ
今だからこそ見て欲しい一本☆_f0014365_3135045.jpg
病んだ社会に大切なモノを教えてくれる衝撃的な映画です
最近物騒な事件が多い世の中ですが、一人の人間が殺人者になった時、この人がなぜ殺人犯さなければならなかったのか、その動機を深く考えなければならないでしょう。人間が殺人者になると言うことはなるべくしてなったのではなく、社会の歪がそれを殺人者として仕立て上げた、つまり多くの要因がそれを取り巻いて、殺人者を創造したという事を忘れてはならないでしょう。
 今夜私が鑑賞した映画はまさにそのテーマを描いた傑作で、私達の生きる資本主義、競争社会に重要な問題を投げかけています。一人の純粋なセールスマンが多くの裏切りや人間の汚さを目の当たりにして、さらには家族の冷たさから孤独になり、精神衰弱に陥り果てには大統領暗殺計画を企てるまでの経過を実話を元に衝撃的な結末を持って表現しています。
 もしも、一人でもわずかでもいい、そんな弱く疲れきった男に優しい言葉を投げかけてくれる者がいたのなら彼は殺人者にならないで済んだかも知れないのに…と悔しさが残る映画です。
 舞台はまさにアメリカンドリームに浮かれる1970年代アメリカ、このドリームの波に乗れない負け組みの追い詰められた姿がリアルに描かれている。これがまた一部の人間達が富を握って世間を騒がせている現代の日本の社会とダブるんだな。最近の日本が物騒になった背景にも勝ち組・負け組みと言う構図が必ずしも関係していないとは言い切れないわけで、何かのきっかけや衝動で殺人を犯しかねない殺人者予備軍が増えていると言っても過言ではない。
ちなみにこれがニルス・ミュラー初の監督作品って言うんだからもっとスゴイ。ショーンペン演じる主人公の緊迫の演技には大注目です!!
 とにかくすっごく考えさせられて、今この社会に必要なモノってなんだろうって深く考えさせらる映画なので機会があれば是非見て欲しいと思います。
by fifi2121 | 2006-02-19 03:15